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JANT 8


JANT第8回研究集会で講演する[2002.09.05]

JANT研究集会には、第5回から毎回参加している。 9/5(木)の研究集会で、講演を行なった。 どの学会にも所属していないので、学会の研究集会で発表するのは、初めてである。 今回も会社の業務に関係ないので、年次休暇を取得して参加した。

配布資料は、A4で4枚(8ページ)をホチキス止めしたものを50部用意した。 自宅のインクジェットプリンタ(HP DeskJet 895Cxi)で、両面で400ページを印刷するのは、かなり時間がかかった。 一人で同人誌(コピー本)を作成するようなものである。
これ以上の部数をこのプリンタで一度に印刷するのは、実用的ではない。 プリンタの黒インクカートリッジもかなり消費したので、思ったよりも早く、空になってしまった。

プレゼン資料はMagicPointで作成しておき、個人所有のLOOX T9を持ち込んで、会場で用意されたプロジェクタに接続して、NetBSD-1.5.2+XFree86-3.3.6a+MagicPoint 1.09の環境で問題なくデモできた。 ささやかな失敗は、BIOSの節電設定で、LCDバックライトの消灯までの時間を5分にしたままだったので、2回ほど黒画面になってしまったこと。見落しがちなので、注意しないといけない。

講演会終了後に、Pohst教授を招待した懇親会にも参加して、楽しく過ごした。JANTの次回(第9回)研究集会は、2003年1月11日(土)に東大駒場で開催される予定である。

講演資料はこちら

[2002.09.07追記]
講演内容に関して、楕円曲線En:y2=x3+(n2-6n-3)x2+16nxが虚数乗法(Complex Multiplication)を持つかどうかという質問があり、その場では、調べていないので分からないと回答した。
講演後に、虚数乗法を持つかどうかについて調べてみた。Enのj-不変量を計算すると、
    j(En) = 1728c43/(c43-c62) = {(n-3)3(n3-9n2+3n-3)3}/{n2(n-1)3(n-9)}
となり、Enが虚数乗法を持つのは、n=±3の場合に限ることが直ちに分かる。
また、rank(En(Q))は、調査できた範囲(|n|≦100,n≠87,-60,-73)では0,1,2のいずれかの値を取ることが分かったが、rankの分布と3以上の値を取ることがあるかどうかを調べてみる必要がある。

[2002.09.15追記]
立命館大学の加川貴章 助教授よりメールで指摘を受けて、楕円曲線EnのL-関数のs=1に対する値 L(En,1)を計算することにより、n=87,-60,-73に対して、rank(En(Q))=0であり、したがって、(x+y+z)(1/x+1/y+1/z)=nは有理点を持たないことが示せた。講演会場で、電通大の木田雅成 助教授が指摘したように、これらの場合は、どんなに計算機が速くても、mwrankで有理点を見つけることはできない。
|n|<100については、(x+y+z)(1/x+1/y+1/z)=nが有理点を持つかどうかを完全に決定できたことになる。

参考文献



Last Update: 2006.08.20
H.Nakao

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