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Terai's Talk


学習院大学土曜セミナーに行く[2004.06.05]

足利工業大学)寺井氏の講演"Fermart商に関する不定方程式について"を聴講するために、学習院大学(JR山手線の目白駅のすぐ近く)に行った。学習院大学の土曜セミナーに参加するのは今回が初めてである。講演で使用したセミナー室が狭かったことと、参加者の平均年齢が高かったことが印象に残った。

一般化したFLT(Darmon-Merel,Ribet)とCatalan予想(Mih\v ailescu[3]によって証明された)を使って、Fermat商
     qp(m) = (mp-1-1)/p
が完全冪乗数に一致するというDiophantine方程式
     (mp-1-1)/p = xl
     ここで、p;奇素数, l:素数, x,m:正整数(>0)
の解(p,m,x,l)を部分的に(条件付きで)求めるというものであった。

条件付きというのは、m:偶数の場合とm:奇数かつm≡1(mod 4)の場合を完全に決定した。
求めた解は、Pell方程式に帰着されるもの[p=3,l=2の場合]を除いて、
     (p,m,x,l)=(3,2,1,*), (7,2,3,2), (5,2,4,2)
である。
また、m:奇数かつm≡3(mod 4)の場合は未解決であるが、
     (p,m,x,l)=(3,5,2,3)
が知られているということだった。

41番目に発見されたMersenne素数(224036583-1),Wieferich素数Carmichael数も紹介された。
とても興味深い講演であった。

帰宅してから、m:奇数, x:正整数, p=3, l=3,5,7,11,13,17,19(奇素数)の場合(楕円曲線または超楕円曲線の整点)を検討してみたが、正整数解(m,x)は
     l=3, (m,x)=(5,2)
だけであることが確認できた。
また、m:奇数, x:正整数, p=3, l=4(素数ではない!)の場合(楕円曲線の整点)について、正整数解(m,x)は
     (m,x)=(7,2)
だけであることも確認できた。


参考文献



Last Update: 2005.06.12
H.Nakao

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