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Teikinri


リスクを取れない理由[2006.01.23]


久しぶりに某銀行に行って、わずかな額ですが、普通預金から定期預金に移して来ました。 1年ものの定期預金で利率0.030%というわけで、たとえ100万円預金しても、1年後に受け取る利息は300円(国税15%,地方税5%が引かれるので、税引後240円)なので、往復の電車賃にも及びません。

銀行の窓口で、豪ドル建債券とプレミアム円定期預金という商品について、熱心に説明して(勧めて)くれたので、一応聞いてみました。 筆者は経済の知識や投資の経験も全くなく、これらの商品が自分に有利かどうか、どの程度のリスクかなどの評価が全くできないので、結局購入しませんでした。

なぜ筆者はリスクを取ることができないのか?について、少し考察してみました。
豪ドル建債券のリスクについて、パンフレットに明記されているのは、次の3つです。
  1. 為替リスク: 為替相場の変動により、利金、償還時および中途売却時の円貨での受取金額は変動し、投資元本を割り込む可能性がある。
  2. 信用リスク: 発行元の財務状況の変化などにより、利金、投資元本支払いの遅延、不履行が発生し、投資元本を割り込む可能性がある。
  3. 価格変動リスク: 金利水準や債券市況により債券価格は変動するため、満期前に売却する場合に、 投資元本を割り込む可能性がある。
経済に疎い筆者でも、これらの用語と説明の意味は分かります。
しかし豪ドルの為替相場の現在・過去の変動など一切知らないので、2008年8月14日満期(2年6か月後)の相場(上がる確率と下がる確率はどれほどか)は予想すらできません。
また、世界銀行の豪ドル債券の信用(パンフレットにはAaa Moody'sとあるが)がどの程度あるものか、不履行が発生する確率はどの程度かも全く分かりません。
急に資金が必要になって、満期前に売却する確率がどの程度あるのかも、分かりません。 なぜなら、筆者の勤めている会社が2年6か月後にも存在する確率は?業績悪化などにより、2年6か月以内に筆者がリストラされる確率は?などを厳しく評価できる情報を持っていないからです。

であれば、経済や投資について、もっと学習したらどうかと、言われる方もあるでしょう。 自分の年齢を考えると、普通のサラリーマンとしての仕事をしつつ、片手間に経済や投資について学習しても、ものになると思えません。 仮に仕事をしなくても良い状態で、十分な時間があったとしても、経済や投資について学習すれば必ずこれらのリスクが的確に評価できるようになるとも思えません。 筆者個人が取得・処理できる情報や経済の変動を予測する能力が限られているためです。 たとえリスクが評価できるようになったとしても、投資可能な資金が手元になければ、これらの学習も全くの無駄になってしまいます。

つまり、資金や時間あるいは能力に余裕のない人間には、投資は著しく不利であるということです。 投資は不完全情報ゲームであり、数学的には勝ち負けの確率も期待値も厳密には計算できず、投入可能な資金量によって、明らかに有利不利(同じ条件であれば、資金量が多い方が圧倒的に有利)があります。 筆者のように、投入できる資金が著しく限られる状況では、ゲームに参加することすらできません。
従って、貧乏で無力な筆者はリスクを取ることができず、利息が雀の涙にも見える超低金利に甘んじるしかなかったのでした。


Last Update: 2006.02.18
H.Nakao

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