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JANT15


JANT第15回研究集会に行く[2006.07.08]


首都大学東京(旧:都立大学)で開催された第15回JANT研究集会に参加した。

後藤氏(東京理科大)による講演「完全数の周辺の対象について」では、単完全数や単調和数についての概観と最大素因子へのアプローチが紹介された。
正整数nの約数dがgcd(d,n/d)=1を満たすとき、dをnの単約数(unitary divisor)と呼ぶ。
nの全ての単約数の和σ*(n):=Σd|n,gcd(d,n/d)=1{d}が2nに等しいとき、nを単完全数(unitary perfect number)と呼ぶ。
現在知られている単完全数は次の5個である[1]。

奇数の単完全数は存在しない(Subbarao, 1966)。
同様に、調和数の定義を少し修正することにより、単調和数も定義できる。特に、単完全数は単調和数である。
107未満の単調和数は68個である(後藤)。

濱田氏(福岡大)の講演「最新KNOPPIX/Math入門」では、CDからbootできる数学ソフトウェア環境KNOPPIX/Mathの紹介とデモが興味深かった。 Debian LINUXをベースに、各種の数学ソフトウェアに加えて、TeX、図形描画ソフトウェアなども圧縮ファイルシステムで格納されている。 Euclid幾何学の作図ソフトウェアKSEGで、直線と円の交点を求めたり、包絡線や軌跡を使って、放物線、双曲線、Lemniscateなどの曲線を視覚的に表示することや、制御点を使って曲線を変化させることを手際良く実演された。
KNOPPIX/Mathは数学者の研究用環境としてだけではなく、中学生や高校生に数学に興味を持たせるための、教材としても十分に活用できるのではないかと思う。

参考文献


Last Update: 2006.09.10
H.Nakao

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