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Integral Points on Conic Curve: x^2-61y^2=1


[2001.04.22]x2-61y2=1の整点


Diophantus方程式
     x2-61y2=1 ----------------------------- (1)
によって定義される円錐曲線の整点について考察する。ここで、61は素数である。
円錐曲線(1)は、自明な整点として、(±1,0)を持つ。

これはPell方程式として、よく知られている。sqrt(61)の連分数展開を利用して、自明でない整点を求めることができる。
    a0=[sqrt(61)]=[7.8102...]=7
    a1=[1/(sqrt(61)-7)]=[(sqrt(61)+7)/12]=[1.2341...]=1
    a2=[1/((sqrt(61)+7)/12-1)]=[(sqrt(61)+5)/3]=[4.2700...]=4
    a3=[1/((sqrt(61)+5)/3-4)]=[(sqrt(61)+7)/4]=[3.7025...]=3
    a4=[1/((sqrt(61)+7)/4-3)]=[(sqrt(61)+5)/9]=[1.4233...]=1
    a5=[1/((sqrt(61)+5)/9-1)]=[(sqrt(61)+4)/5]=[2.3620...]=2
    a6=[1/((sqrt(61)+4)/5-2)]=[(sqrt(61)+6)/5]=[2.7620...]=2
    a7=[1/((sqrt(61)+6)/5-2)]=[(sqrt(61)+4)/9]=[1.3122...]=1
    a8=[1/((sqrt(61)+4)/9-1)]=[(sqrt(61)+5)/4]=[3.2025...]=3
    a9=[1/((sqrt(61)+5)/4-3)]=[(sqrt(61)+7)/3]=[4.9367...]=4
    a10=[1/((sqrt(61)+7)/3-4)]=[(sqrt(61)+5)/12]=[1.0675...]=1
    a11=[1/((sqrt(61)+5)/12-1)]=[sqrt(61)+7]=[14.8102...]=14
    a12=[1/((sqrt(61)+7)-14)]=[(sqrt(61)+7)/12]=[1.2341...]=1
ここで、a12=a1となり、以下、同じ並び{1,4,3,1,2,2,1,3,4,1,14}が繰り返す。
連分数[a0,a1,....,an]=pn/qnの値を求めるには、
    p0=a0
    q0=1

    p1=a0a1+1
    q1=a1

    pn=anpn-1+pn-2 (n>=2)
    qn=anqn-1+qn-2 (n>=2)
とすればよい。

pn,qn,pn2-61qn2の値を順に求めると、以下のようになる。

n pn qn pn2-61qn2
0 7 1 -12
1 8 1 3
2 39 5 -4
3 125 16 9
4 164 21 -5
5 453 58 5
6 1070 137 -9
7 1523 195 4
8 5639 722 -3
9 24079 3083 12
10 29718 3805 -1

よって、円錐曲線x2-61y2=-1の整点の1つ(x0,y0)=(29718,3805)が得られた。
    (x+sqrt(61)y)(x-sqrt(61)y)=-1
から、
    (x+sqrt(61)y)2(x-sqrt(61)y)2=1
よって、
    (x2+61y2+2sqrt(61)xy)(x2+61y2-2sqrt(61)xy)=1
    (x2+61y2)2-61(2xy)2=1
を得るので、
円錐曲線x2-61y2=1の整点の1つ(最小解)は、(x1,y1)=(x02+61y02,2x0y0)=(1766319049,226153980)である。

円錐曲線(1)の整点は、Q(sqrt(61))の単数(1766319049+226153980sqrt(61))n=xn+ynsqrt(61) (n>=0)を計算すると、(±xn,±yn)として得られる。


[2010.06.06追記]
ある読者からの指摘により、x1の値を1766318049(誤)から1766319049(正)に訂正。


[参考文献]


Last Update: 2010.06.06
H.Nakao

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